SAP環境を個人で利用する方法

SAPの環境に個人でアクセスして好きにいじくり回してみたい。
そんな方法はあるのだろうか?
これはSAPをやっていると結構悩む問題だ。SAPのカスタマイズ等を変更して動作を確認してみたいが、会社の環境を好き勝手に変えるわけにもいかない。開発環境の設定を下手にいじって、もしその設定が意図せず本番環境へ移送されてトラブルを起こしてしまったら目も当てられない。というかクビだ。さて、どうしたものか?

方法の1つは、企業が個人向けに提供しているSAP環境へのアクセスサービスと契約することだ。このSAP環境は、いわゆるIDES(ECCバージョン)やBBP(S/4バージョン)と呼ばれるもの。
残念ながら2020年時点では日本企業は本サービスを提供しておらず、海外のいくつかの企業で提供しているのみ。

今回はそれらの企業の1つ、Michael Management社のサービスを身銭を切って契約してみたので、その手順を紹介してみたい。

Michael Management社はアメリカの企業でSAPトレーニングを提供している。当企業は様々なSAPトレーニングメニューとともに、実際のSAP環境にアクセスできるサービスも提供している。あいにく日本語環境は利用できず、英語環境を利用することになる。なお、PCはWindows、Macともに利用可能だ。契約をすれば、SAP GUIもダウンロードできるようになる。
契約は自動更新となるため、解約するにはメールで解約の旨メールを送ればいい。ただし英語で。

さて、当企業が提供するSAP ACCESSのページに行くと、利用できるSAP環境のサービス一覧が表示される。S/4 HANA、ECC 6.0といろいろなバージョンがある。さらに、価格体系は一般ユーザとABAP開発者で分かれている。ABAPでのプログラミングも行いたいとなると約2倍のお値段となる。SAPから購入する開発者用のユーザライセンスは一般ユーザライセンスと比べて高いため、その分の価格が上乗せされているようだ。
今回は、ABAPでの開発までは不要なので、一般ユーザの中から契約をしてみる。一般ユーザとはいえ、カスタマイズ変更や伝票登録等、一通りの機能は使うことができる。
気になるお値段は月99ドル(1万1000円ほど)。パンの耳を1週間食べて生活すれば問題ないレベル。年間契約だと899ドル(10万円ほど)だ。

これでも高いとはいえ、SAPが提供しているSAP Learning Hubに比べればまだお手頃な値段だ。SAP Learning Hubの中でSAP Live Accessというサービスがあるが、20時間で5万円ほど。60時間で7万2千円ほどだ。個人で買うとなると高い。。。このサービスを個人で利用するには1カ月ほど霞を食べて生活する必要がある。もしくは財布を握っている家族の大蔵大臣に土下座して許しを請うことになりそうだ。あまり楽しい未来にはならなそうなので今回はパス。

以下が契約の手順となる。

SAP ACCESSのページから契約したいサービスを選び、カートボタンを選択

・ショッピングカートと支払方法を確認して「PROCEED TO CHECKOUT」を選択

・クレジットカードや住所等の情報を入力して「Place my order」を選択

・購入完了の画面が表示される

・アカウントの有効化を行う
購入完了後、すぐにメールが送られてくるので、メールの案内に従ってアカウントを有効化しログインできるようにする。

・SAP GUIのダウンロードとインストール
さらに別メールで、SAP GUIのダウンロードとインストール手順が記載されたリンクが送られてくるので、それを参考にGUIをインストールする(SAP GUIダウンロードにはログインが必要)。ただし、Macのインストール手順がまるで役に立たなかったので、別記事にて紹介する。

・SAP環境へアクセスする
購入完了後、数時間すると、SAPのユーザIDと初期パスワード、SAPへの接続情報が記載されたメールが届く。私の場合、購入して4時間ほど経った頃にメールが届いた。Michael Management社から本メールは迷惑メールに届く可能性が高いですと散々警告されていたが、警告通り迷惑メールとして届いていた。差出人が「Workflow System」とかいう怪しい差出人になっているのでご注意を。

以上で契約手続きは完了。
さて、さっそくパンの耳を買いに行くとしますか。

次回はMacにSAP GUIをインストールしてSAPに接続する手順をお伝えする。

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